介護の求人を眺めていると、特養、老健、デイサービスと言葉が並ぶ。どれも同じ介護の仕事に見えて、違いがわからない。そこで手が止まっていませんか。
- 施設の名前が覚えられない
- 夜勤があるかどうかの不安
- 自分に務まるかの判断
- 求人票から中身が読めない

特養と老健って、何が違うんでしょうか…。

利用者さんの状態がまったく違うの。だから仕事の中身も変わってくるんだよ。
介護施設は種類によって、利用者の状態も一日の流れも変わります。つまり同じ介護職でも、働き方はまったく別物だということです。この記事では、主な施設の特徴を種類ごとに整理しました。あわせて、未経験の方が入りやすい順と、自分に合う職場の選び方もまとめています。読み終えるころには、求人票の見え方が変わっているはずです。
なお制度や基準は見直されることがあります。応募を決める前に、各施設の案内やお住まいの自治体で最新の情報をご確認ください。
介護の仕事をはじめから知りたい方は、介護の仕事と資格と職場選びの全体像をご覧ください。
施設選びが働き方を決める

施設ごとの説明に入る前に、なぜ種類が大事なのかを押さえましょう。ここを軽く見ると、入ってから「思っていたのと違う」となりかねません。求人票の条件より、施設の種類のほうが働き方を左右することもあります。ここでは3つの観点で整理しました。
利用者の状態が違う
介助がほとんど必要ない方と、常時介助が必要な方では、仕事の中身が変わります。施設の種類は、受け入れる方の状態によって分かれているためです。まずここを押さえると、求人票の読み方が変わってきます。
夜勤の有無が分かれる
泊まりのある施設と、日中だけの施設があります。夜勤があると手当がつきますが、生活のリズムは大きく変わるものです。家庭の事情がある方にとっては、ここが最初の分かれ道になるでしょう。
夜勤を含めたきつさの中身は介護の仕事がきつい理由と対策にまとめました。
身につく経験が変わる
医療的なケアが多い現場と、生活の支援が中心の現場があります。将来どちらに進みたいかで、最初に選ぶ場所も変わってきます。ただし最初から決める必要はなく、働きながら考えて差し支えありません。
時間ごとの過ごし方は介護職の1日の流れと仕事内容で職場別に見られます。
泊まりがある施設

まずは入所型、つまり利用者が生活している施設です。夜勤があるのが一般的で、介護職の求人数も多くあります。同じ入所型でも、受け入れる方の状態はかなり違います。代表的な4つを見ていきましょう。
特別養護老人ホーム
特養と呼ばれる公的な施設です。原則として要介護3以上の方が対象とされており、常時介助が必要な方が生活しています。24時間の体制で支えるため身体介護の比重が高く、介護の基本を身につけやすい現場です。
介護老人保健施設
老健と呼ばれ、在宅への復帰を目指す方が利用する施設です。要介護1以上で、病状が安定している方が対象とされています。リハビリや医療的なケアが中心で、原則3か月ほどで退所の検討がされるのが特徴です。
グループホーム
認知症の方が、少人数で共同生活を送る住まいになります。1つのまとまりは5人から9人程度で、家庭的な雰囲気の中で過ごす形です。要支援2または要介護1以上で、認知症の診断がある方が対象とされています。
有料老人ホーム
民間が運営する施設で、介護付きと住宅型などの種類があります。施設ごとに方針や設備の差が大きいため、求人票だけでは判断しにくいところです。見学して雰囲気を確かめるのが、もっとも確実でしょう。
通いと訪問の仕事

次は、利用者が自宅で暮らしている形の仕事です。こちらは夜勤がないのが一般的で、生活のリズムを保ちやすくなります。日中だけ働きたい方にとっては、こちらが現実的な選択肢になるでしょう。3つ挙げます。
デイサービス
日帰りで通ってもらい、食事や入浴、レクリエーションを提供します。利用者は時間になると帰宅するため、夜勤は発生しません。比較的お元気な方が多く、未経験から始めやすい現場だといわれています。
デイケア
通所リハビリとも呼ばれ、リハビリが必要と判断された方が通います。こちらも日帰りのため夜勤はありません。理学療法士など専門職と一緒に働くことが多く、学べる要素が多い現場です。
訪問介護
利用者の自宅を訪ねて、身体介護や生活援助を行います。基本的に日中の決まった時間に伺うため、夜勤は発生しにくい働き方です。ただし身体介護を行うには、一般的に介護職員初任者研修以上の資格が求められます。
ひとりで伺うことへの不安や備えは訪問介護の仕事内容と備え方にまとめました。
資格の取り方は介護の資格を無料で取る方法5つにまとめました。
未経験が入りやすい順

ここまでで種類はつかめたと思います。次は、未経験から始める場合にどこを選ぶかという話です。入りやすさと、学べる量は必ずしも一致しません。どちらを優先するかで答えが変わります。
デイサービスから始める
身体介護の比重が比較的軽く、夜勤もありません。未経験歓迎の求人も多く、最初の一歩としては入りやすい現場です。まずは介護の仕事に慣れたい方に向いています。
特養や老健という選択
身体介護を数多く経験できるため、技術が早く身につくでしょう。一方で業務量も多く、夜勤もあるため体力面の負担は大きくなります。将来介護福祉士を目指すなら、経験を積める場として有力でしょう。
訪問介護は資格が先
ひとりで訪問するため、ある程度の経験があると安心して働けます。身体介護には資格が必要になるため、未経験からいきなり選ぶ人は多くありません。資格を取ってから、あるいは施設で経験を積んでから移る方が一般的です。
自分に合う職場の選び方

最後に、種類が決まったあとの選び方です。同じ種類の施設でも、運営する法人によって中身はかなり違います。求人票に書かれていないことを、面接で確かめるのが近道でしょう。4つの観点で見ていきます。
夜勤ができるかどうか
ここを最初に決めると、候補が一気に絞れます。家庭の事情や体調で難しいなら、通い系や訪問から探しましょう。無理に合わせると長続きしません。
一日に関わる人数
何人の利用者を担当するのかを聞いてみてください。同じ施設の種類でも、人員の配置によって忙しさは変わるためです。休憩が取れているかを聞くと、現場の実態が見えてきます。
通いやすさという条件
見落とされやすいものの、続けられるかを大きく左右します。早番や夜勤がある場合、通勤時間はそのまま負担になるからです。条件が多少よくても、遠い職場は慎重に考えましょう。
教育と相談の体制
未経験で入るなら、ここが一番大事かもしれません。最初の数か月、誰かが同行してくれるのか。質問できる相手が決まっているかを確かめてください。
未経験で入職した場合、最初の数か月はどのような形で業務を覚えていくのでしょうか。
面接で確かめることは介護職の面接で聞かれる質問と答え方に、決める前の確認事項は転職して後悔する人の共通点7つにまとめました。
職場選びでよくある質問

最後に、施設を選ぶときに迷いやすい点をまとめました。どれも応募の前に知っておきたいことばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
特養と老健はどちらが大変?
一概には言えません。特養は身体介護の比重が高く、老健はリハビリや在宅復帰の支援が中心です。大変さの種類が違うため、自分に向くほうを選ぶという考え方が現実的でしょう。
夜勤なしでも正職員になれる?
なれます。デイサービスやデイケアには日勤のみの正職員の求人があります。ただし夜勤手当がないぶん、収入は下がる傾向があるようです。求人票の給与欄で、手当の内訳を確認しておきましょう。
給与の内訳の見方は介護職の給料が変わる理由と見方にまとめてあります。
認知症の方の対応は難しい?
最初は戸惑う方が多いものです。ただ、基本の関わり方は研修や現場で学べるものです。グループホームのように、少人数でじっくり関われる環境もあります。
合わなかったら変えられる?
変えられます。介護は職場の数が多い業界です。同じ介護職のまま、施設の種類を変えるという移り方もできます。一度の選択で決まってしまうわけではありません。
見学はお願いしていい?
まったく問題ありません。受け入れている施設も多く、聞くこと自体が不利になることはないものです。断られた場合は、その反応もひとつの判断材料になります。
求人票のどこを見る?
施設の種類、勤務時間、夜勤の回数、職員の人数。この4つを先に確認すると、働く姿が想像しやすくなります。書かれていない項目があれば、面接で聞きましょう。
なお、この記事で扱ったのは介護保険の施設です。病院で働く選択肢は病院の看護助手の仕事と選び方にまとめました。
まとめ|合う場所は必ずある

介護の仕事は、ひとくくりにできるものではありません。種類が違えば、別の仕事といってもよいほどです。自分に合わない現場があっても、それは向いていないという意味ではありません。
- 施設の種類で働き方が変わる
- 泊まりがある施設は夜勤あり
- 通いと訪問は日中のみが基本
- 未経験はデイサービスが入りやすい
- 同じ種類でも法人によって違う

違いがわかったら、求人の見方が変わりそうです。

そうだね。まずは夜勤ができるかどうかだけ決めてみて。それで候補がぐっと絞れるから。
今日は、夜勤ができるかどうかだけ決めてみてください。それだけで、見るべき求人が半分に減ります。施設の名前を全部覚える必要はありません。気になった求人が出てきたときに、その種類だけ調べれば十分です。
未経験から始める手順は未経験から介護職に転職する手順にまとめました。一人で迷ってしまうときは、転職の悩みを無料で話せる相談窓口7選で紹介した窓口を頼ってください。


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