介護の求人を探していたら、病院の看護助手が出てきた。資格はいらないと書いてあるけれど、介護の仕事と何が違うのかわからない。そのまま応募していいものか迷っていませんか。
- 介護職との違いがわからない
- 医療の知識がないという不安
- 経験として活かせるかの心配
- 求人票から中身が読めない

看護助手って、介護の仕事とほとんど同じですよね…?

似ているけれど、違うところがあるの。とくに将来のことを考えるなら、知っておきたい点があるよ。
看護助手は資格がなくても始められる仕事です。ただし介護職と重なる部分がある一方で、はっきり違う部分もあります。そして働き方によっては、介護福祉士の実務経験として扱われないことがあります。この記事では仕事の中身と介護職との違いを整理し、選ぶ前に確かめておきたい点までまとめました。
なお受験資格の判断は個別性が高いため、最終的には試験を実施している機関へ直接ご確認ください。この記事では、確認すべき観点をお伝えします。
介護の仕事をはじめから知りたい方は、介護の仕事と資格と職場選びの全体像をご覧ください。
看護助手はどんな仕事

まず、看護助手がどういう立場なのかを押さえましょう。ここがわかると、求人票の読み方が変わります。名前のとおり、看護師を支える役割です。ここでは3つに整理しました。
看護師を支える役割
看護師が看護に専念できるよう、周辺の業務を引き受けるのが基本です。患者さんの身の回りの世話と、病棟の環境を整える仕事が中心になります。チームの一員として、看護師と連携して動く仕事だと考えてください。
資格は必要ない
看護助手になるために必須の資格はありません。無資格・未経験から応募できる求人が多く出ています。介護職員初任者研修などを持っていると、採用で有利に働くこともあるようです。
働く場所は医療機関
病院やクリニックが職場になります。介護施設ではなく医療の現場である点が、介護職との大きな違いです。看護師や医師と日常的に関わる環境になります。
具体的な仕事の中身

次に、実際に何をするのかを見ていきましょう。病院によって担当する範囲がかなり違うため、ここが一番大事な部分です。大きく3つに分かれます。どれを多く担当するかが、職場選びの分かれ目でしょう。
患者さんの身の回り
食事の配膳や食事介助、清拭や入浴の介助、排泄の介助、体位変換などを担当します。介護施設で行う業務と、内容としては重なる部分です。車椅子での移動の補助や、検査への付き添いも含まれます。
看護師のサポート
診療材料の補充や整理、検体や薬剤の搬送、器具や書類の準備などがあります。処置の準備や後片付けを任されることもあるでしょう。直接患者さんに触れない業務も、少なくない割合を占めます。
環境を整える仕事
シーツ交換、病室の清掃、医療器具の洗浄や管理などです。清潔な環境は医療の土台になるため、重要な業務とされています。ただし、この割合が高い職場もあると知っておきましょう。
やってはいけないこと

できることと同じくらい、できないことを知っておく必要があります。知らずに引き受けてしまうと、患者さんにも自分にも危険が及ぶからです。断ることが、むしろ正しい対応になる場面があります。3つに分けて説明します。
医療行為はできない
注射や採血といった医療行為は行えません。看護に関する資格を持たないためです。法令で定められた区分なので、頼まれても引き受けてはいけません。
判断を伴うケア
専門的な判断を要する療養上の世話や、診療の補助も行えません。患者さんの状態を見て判断する部分は、看護師の役割だからです。迷ったときは必ず看護師に確認する、という形になります。
断ってよい場面
人手が足りない現場では、頼まれることがあるかもしれません。そのときは「資格がないのでできません」と伝えて差し支えありません。断ることで責められるようなら、その職場のほうに問題があります。
介護職との違い

ここまでで、仕事の輪郭は見えてきたと思います。次は介護職との違いを整理しましょう。身の回りの世話をするという点では似ていますが、対象も目的も、身につく経験も違います。
対象になる人が違う
看護助手が関わるのは、入院や通院をしている患者さんです。介護職が関わるのは、介護施設を利用している方になります。治療のためにいる人と、生活している人という違いがあります。
目的が違う
看護助手の目的は、治療や看護が滞りなく進むことです。介護職の目的は、その方の生活が続いていくことになります。同じ介助をしていても、向いている方向が違うのです。
身につく経験が違う
看護助手では医療の現場の流れや、医療職との連携の仕方を学べます。介護職では、生活を支える視点や関係づくりが身につきます。どちらが上ということではなく、方向が違うと考えてください。
介護施設の種類ごとの違いは介護施設の種類と選び方にまとめました。
実務経験になるかの分かれ目

ここがこの記事で一番お伝えしたい部分です。将来、介護福祉士を目指す可能性が少しでもあるなら、必ず読んでください。看護助手の経験は、働き方によって実務経験に数えられないことがあります。求人票を見ただけではわかりません。
カウントされる条件
病院や診療所の看護補助者のうち、主たる業務が介護等である場合は対象になるとされています。入浴介助、排泄介助、食事の介助、移動や移乗の介助、着替えの介助などが該当します。つまり、患者さんに直接関わる介助が仕事の中心であることが条件です。
されない働き方
空床時のベッドメーキングや検体の運搬といった、間接的な業務のみに従事する場合は対象外とされています。掃除や環境整備、備品の管理が主な業務である場合も同様です。同じ看護助手という呼び名でも、中身によって扱いが変わるということです。
この区分は公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示しています。判断に迷う場合は、応募先の業務内容を確認したうえで、試験センターへ直接お問い合わせください。
介護福祉士までの道のり
実務経験を積んで介護福祉士を目指す道は、一般的に実務経験ルートと呼ばれています。従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上の実務経験に加え、実務者研修を修了すると国家試験の受験資格が得られるとされています。
複数の職場で働いた期間は、通算して数えられる扱いです。対象となる働き方であれば、看護助手として過ごした期間も合わせて計算できます。自分の経験が何日分になるかは、応募先と試験センターに確認しておきましょう。
介護福祉士になるまでの流れは介護福祉士になるには何が必要かに、実務者研修の中身は実務者研修の内容・期間・費用にまとめました。
面接で確かめる
求人票には「患者さんのお世話」としか書かれていないことがほとんどです。そのため、面接で具体的に聞くほかありません。聞きにくい内容ではなく、病院側も把握しているはずの事項です。
業務のうち、入浴や排泄などの身体介助はどのくらいの割合でしょうか。
介護福祉士の実務経験として認められる働き方になりますでしょうか。
看護助手でよくある質問

最後に、応募の前に迷いやすい点をまとめました。どれも求人票からは読み取れないことばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
医療の知識がなくても?
必要な知識は入ってから学べます。最初から医療の専門知識を求められる仕事ではありません。看護師の指示を正確に聞き取り、報告できることのほうが重視されます。
夜勤はありますか?
病院によります。入院病棟がある場合は夜勤があることが一般的です。外来やクリニックでは日勤のみという働き方もあります。求人票の勤務時間の欄を必ず確認しましょう。
介護職に移れますか?
移れます。身の回りの介助の経験は、介護施設でも活かせるものです。ただし実務経験として数えられるかは、業務の中身によります。将来の選択肢を広げたいなら、入職前に確認しておきましょう。
資格は取っておくべき?
必須ではありませんが、介護職員初任者研修があると選択肢が広がります。看護助手としての採用でも、評価されることがあるようです。取り方は介護の資格を無料で取る方法5つにまとめました。
体力は必要ですか?
移乗や体位変換があるため、ある程度の体力は求められます。ただし担当する範囲は病院によって差が大きいところです。不安があれば、一日の業務の流れを面接で聞いてみてください。
未経験でも採用される?
未経験歓迎の求人が多く出ています。資格要件がないため、入口としては入りやすい職種です。そのぶん、入ってからの教育体制を確かめておくことが大切になります。
まとめ|中身を確かめて選ぶ

看護助手は、資格がなくても始められる仕事です。ただし同じ名前でも、病院によって中身がまったく違います。求人票を見ただけで判断せず、面接で具体的に確かめてください。
- 看護助手は資格が要らない
- 医療行為は行えない
- 対象は患者さんで目的は治療
- 間接業務だけだと実務経験外
- 業務の割合を面接で確認

同じように見えて、確かめることがあるんですね。

そうなの。ひとこと聞くだけで、あとの選択肢が変わってくるからね。
応募を考えている求人があれば、業務の割合だけ聞いてみてください。身体介助が中心なのか、環境整備が中心なのか。それだけで、その仕事が自分の目指す方向に合うかが見えてきます。聞くことをためらう必要はまったくありません。
面接で確かめることは介護職の面接で聞かれる質問と答え方に、未経験から介護の仕事に就く手順は未経験から介護職に転職する手順にまとめました。決める前の確認事項は転職して後悔する人の共通点7つもあわせてご覧ください。
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