文具店に行くと、履歴書だけで何種類も並んでいます。どれを買えばいいのか分からないまま、なんとなく手に取っていませんか。書き始めてからも、西暦か和暦か、空欄をどうするかで手が止まります。
- どの用紙を買えばいいのか
- 手書きとパソコンのどちらがいいか
- 書き間違えたときにどうするか
- 空いた欄をどう埋めるか

履歴書って決まった形があると思っていました。

それが数年前に変わったの。知らずに古い情報で書いている人が多いんだよ。
先に結論をお伝えします。履歴書には法律で決まった形がありません。そのうえで、応募先に指定があればそれに従い、なければ使いやすいものを選べば十分です。
この記事は、実際に転職活動で履歴書を書いた経験と、厚生労働省が公開している案内を確認したうえでまとめました。ネット上には古い情報が多く残っているため、変わった部分も含めて整理しています。
読み終えるころには、どの用紙を使えばいいか、どこで迷いがちなのかが分かります。手が止まらずに最後まで書けるようになるはずです。書き直しで時間を取られることも減ります。
履歴書の様式は変わった

まず、ここを知らないまま書いている方が多くいます。数年前に、履歴書のもとになっていたものが変わりました。よく言われるJIS規格の廃止は、正確ではありません。3つに分けて整理しました。
何が変わったのか
2020年7月、日本規格協会がJIS規格の解説から履歴書の様式例を削除しました。規格そのものが廃止されたわけではなく、解説に載っていた見本がなくなった形です。この違いを取り違えている記事が、いまも多く残っています。
厚生労働省の新しい様式例
これを受けて、厚生労働省が新しい様式例を作りました。2021年4月に、全国の都道府県労働局へ通知されています。変わったのは次の点です。
- 性別欄を「任意記載欄」にした(男・女の選択をやめた)
- 通勤時間の欄を設けない
- 扶養家族数の欄を設けない
- 配偶者と、配偶者の扶養義務の欄を設けない
決まりではない
ここが大事なところです。厚労省の様式例には法的な拘束力がありません。市販の履歴書の多くは古い形をもとに作られていて、いまも広く使われています。
どの用紙を使うか

決まった形がないと言われると、かえって迷うものです。ただ、選び方の順番ははっきりしています。応募先の指定があれば、それが最優先です。3つに分けて見ていきましょう。
指定があればそれに従う
応募先から用紙や形式を指定されることがあります。所定の用紙、エクセルのファイル、指定のフォーマットなど様々です。指定があるのに別のものを使うと、それだけで印象が悪くなります。
指定がない場合
文具店やコンビニで売っているもので構いません。厚生労働省の様式例も、公式サイトから無料でダウンロードできます。転職用と書かれたものは、学歴より職歴を書く欄が広く取られています。
書きたい内容で選ぶ
用紙によって、欄の大きさが違う点にも注意しましょう。職歴が多い方は職歴欄の広いもの、伝えたいことが多い方は自己PR欄の広いものが向きます。買う前に中身を見て、自分が書きたいことが収まるか確かめましょう。
書く前に決めること

いきなり書き始めると、途中で迷って手が止まります。先に決めておけば、最後まで止まらずに書けます。決めるのは3つだけです。順に見ていきます。
手書きかパソコンか
指定がなければ、どちらでも構わないとされています。ただし手書きを求める職場も残っているため、求人票や案内を確かめてください。迷ったときは、応募先に電話で聞いてしまうほうが早いでしょう。
西暦か和暦か
どちらを使っても問題ありません。大事なのは書類全体で統一することです。混ざっていると読みにくく、経歴が合っていないように見えてしまいます。
和暦にする場合は、元号を省略しないでください。最初の年は「1年」ではなく「元年」と書きます。職務経歴書を出すなら、そちらの表記もそろえましょう。
日付をいつにするか
日付は、応募先に提出する日を書きます。郵送なら投函する日、メールで送るなら送信する日です。書いた日ではないため、先に日付を入れてしまうとずれる場合があります。
項目ごとの書き方

ここから中身に入ります。手が止まりやすいのは、だいたい決まった場所です。空欄をつくらないことだけ意識してください。4つに分けました。
学歴と職歴
学歴は高校から書くのが一般的です。職歴は入社と退職を1行ずつ書き、会社名は略さず正式名称で記します。最後の行に「以上」と書いて締めるのが通例です。
免許と資格
取得した順に、正式名称で書きます。「普通免許」ではなく「普通自動車第一種運転免許」のように書くのが基本です。勉強中のものは、取得見込みの時期を添えれば書いて構いません。
本人希望記入欄
ここに待遇の希望を細かく書くのは避けましょう。「貴社の規定に従います」と書くのが一般的な形です。ただし勤務地や勤務時間に動かせない事情がある場合は、正直に書いてください。
志望動機
履歴書の欄は狭いので、長く書く必要はありません。なぜこの仕事か、なぜこの会社か。この2つが入っていれば足ります。面接で聞かれたときに、自分の口で説明できる言葉だけを使いましょう。
書き方は転職の志望動機の書き方と例文に、介護職の場合は介護職の志望動機の書き方にまとめました。
やってはいけないこと

最後に、避けたほうがいい書き方です。どれも中身ではなく、扱い方で損をする種類のものです。丁寧に扱っているかどうかは伝わります。3つ挙げます。
修正液を使う
書き間違えたら、修正液や修正ペンでは直しません。訂正印も避けるのが基本とされています。手間でも新しい用紙に書き直すのが確実です。
欄を空けたまま出す
書くことがない欄でも、空白のまま出さないでください。書き忘れたのか、書くことがないのかが読む側に分かりません。該当しない場合は「特になし」と書けば十分です。
使い回す
複数の会社に同じものを送るのは避けましょう。志望動機は会社ごとに変わるはずなので、そこで気づかれます。日付も提出日に合わせる必要があるため、結局は作り直すことになります。
履歴書でよくある質問

最後に、書く前に迷いやすい点をまとめました。どれも先に知っておくと手が止まらないものばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
性別は書かなくていい?
厚生労働省の様式例では、任意の記載欄になっています。ただし市販の用紙には、まだ男女を選ぶ形のものも残っています。書きたくない場合は、空欄にしても差し支えありません。
写真は必要?
欄がある用紙なら貼ってください。用紙の枠に合う大きさのものを用意し、最近撮ったものを使いましょう。何年も前の写真は、見た目が変わっていると逆効果になります。
職務経歴書も要る?
中途採用では、求められることがほとんどです。履歴書が経歴の一覧なら、職務経歴書は中身の説明にあたります。役割が違うので、どちらか一方では足りません。
書き方は職務経歴書の書き方と例文10選に例文つきでまとめました。
ブランクがあるときは?
空白期間は、事実を短く書けば十分です。子育て、療養、学び直しなど、理由を一行添えるだけで構いません。隠すほど不自然になり、面接で説明しづらくなります。
短期間で辞めた職歴は?
書くのが基本です。雇用保険に入っていた期間は記録に残るため、書かないと食い違いが生まれます。理由を聞かれたときの答えを、先に用意しておきましょう。
封筒はどうする?
履歴書を折らずに入れられる大きさを選びます。表に赤字で「履歴書在中」と書き、中身はクリアファイルに入れると傷みません。郵送なら、送付状を一枚添えるのが丁寧な形です。
表書きの見本と送付状の文例は履歴書を郵送する封筒と送付状にまとめました。
まとめ|正しい形は1つではない

履歴書には、法律で決まった形がありません。応募先の指定があればそれに従い、なければ使いやすいものを選べば十分です。形を気にするより、中身を自分の言葉で書くほうが伝わります。
- JIS規格が廃止されたわけではない
- 厚労省の様式例に法的拘束力はない
- 指定があればそれが最優先
- 西暦と和暦は書類全体で統一する
- 修正液は使わず書き直す
- 空欄のまま出さない

決まった形がないと知って、気が楽になりました。

そう。迷ったら応募先に聞けばいいの。それも失礼にはならないからね。
今日は、応募先の求人票をもう一度見てください。用紙や形式の指定が書かれていないか、それだけ確かめれば十分です。書かれていなければ、使いやすいものを選んで構いません。そこが決まれば、あとは順番に埋めていくだけです。
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