介護の資格を調べたら、受講料が数万円。働きながら貯めるか、それとも諦めるか。そこで止まってしまっていませんか。
- 数万円という受講料の重さ
- 無料という言葉への不信
- 制度が複雑でわからない
- 条件を見落とす心配

無料で取れるという話も見かけますが、本当なんでしょうか…。

本当だよ。ただし条件がついているものもあるの。そこを見分けられれば大丈夫。
介護の資格は、費用をかけずに取れる道がいくつもあります。ただし無料の中身は、制度によってまったく違います。この記事では5つの方法を並べ、それぞれの条件を整理しました。最後に、条件を見落とさないための確認事項もまとめています。読み終えるころには、自分が使える道が見えているはずです。
なお制度の内容や募集時期は変わることがあります。実際に申し込む前に、ハローワークやお住まいの自治体で最新の情報をご確認ください。
介護の仕事をはじめから知りたい方は、介護の仕事と資格と職場選びの全体像をご覧ください。
介護の資格にかかる費用

無料の話に入る前に、本来いくらかかるのかを知っておきましょう。相場がわかっていないと、その制度が得なのか判断できません。金額の幅はかなり大きいため、ここは押さえておきたいところです。3つに分けて見ていきます。
初任者研修の相場
介護職員初任者研修の受講料は、おおむね4万円から10万円が目安とされています。最初の一歩にあたる資格で、無資格から受講できるものです。金額に幅があるのは、スクールによって設定が違うためでしょう。
次の段階にあたる実務者研修の費用は実務者研修の内容・期間・費用でふれています。
スクールによる差
全国展開している大手と、地域に根ざしたスクールでは価格帯が異なります。大手は教室の数が多く通いやすい一方、地域密着型のほうが安い傾向があるようです。通える範囲にどんなスクールがあるか、まず調べてみましょう。
何にお金がかかるか
受講料のほかに、テキスト代がかかることがあります。「受講料無料」と書かれていても、テキスト代は自己負担という形は珍しくありません。総額でいくらかかるのかを必ず確認してください。
ハローワークの職業訓練

1つ目と2つ目は、ハローワークの職業訓練です。離職中の方にとって、もっとも使いやすい制度といえます。受講料が原則無料であるうえ、生活費の支援が受けられる場合もあるからです。2つの制度があるので、順に見ていきましょう。
公共職業訓練
雇用保険を受給している方が対象となる制度です。受講料は原則として無料で、訓練期間中も失業給付を受け取りながら学べます。離職してすぐの方は、まずこちらに当てはまるか確認するとよいでしょう。
失業給付そのものの手続きは失業保険の手続きと再就職手当にまとめました。
求職者支援訓練
雇用保険を受給していない方も対象になる制度です。受講料は原則無料で、一定の条件を満たすと給付金が受けられる場合があります。収入や資産などの要件が細かく定められているため、窓口での確認が欠かせません。
申し込みの流れ
どちらもハローワークでの手続きが入口になります。訓練には募集時期と定員があり、いつでも始められるわけではありません。気になったら、求職の相談とあわせて早めに聞いておきましょう。
介護の職業訓練を考えています。次の募集がいつになるか教えていただけますか。
自治体と事業所の支援

3つ目と4つ目は、自治体と働き先による支援です。あまり知られていませんが、使える方にとっては条件のよい制度があります。とくに自治体の事業には、働きながら資格を取れる仕組みもあります。順に見ていきましょう。
自治体の就業支援事業
自治体が独自に行っている介護人材の確保事業があります。たとえば東京都には、介護施設で働きながら資格取得の研修を受けられる事業があります。研修を勤務時間として扱うため、受講している時間にも賃金が支払われる形です。
受講料も無料とされており、社会保険にも加入できます。似た事業は他の自治体にもあるため、お住まいの地域の名称で調べるか、福祉人材センターに問い合わせてみてください。
事業所の資格取得支援
資格取得の費用を負担してくれる事業所もあります。人材を確保したい事業所にとっても、有資格者が増えるのは利点があるからです。求人票に「資格取得支援あり」とあれば、面接で具体的な条件を聞いてみましょう。
面接で聞かれること全般は、介護職の面接で聞かれる質問と答え方にまとめてあります。
支援のある職場の探し方
求人票の福利厚生欄や、備考欄に書かれていることが多いものです。書かれていなくても、面接で聞けば教えてもらえます。聞くこと自体が不利になることはありません。
職場選びで確かめることは未経験から介護職に転職する手順にまとめました。
スクールの無料制度の注意点

5つ目は、スクールが独自に行っている無料制度やキャッシュバック制度です。ここだけは、少していねいに読んでください。無料になる条件が、就職とセットになっていることが多いためです。悪い制度という意味ではありません。仕組みを知って使えばよいだけのことです。
無料になる仕組み
スクールと提携している介護事業所が、受講料を負担する形が一般的です。事業所からすると、人材を確保するための費用という位置づけになります。そのため「提携先に就職すること」が条件になります。
条件は必ず書面で
口頭の説明だけで受講を決めるのは避けましょう。条件を満たさなかった場合に受講料の支払いが生じる契約もあるとされています。金額や期間は制度によって違うため、書面で確認しておくのが確実です。
聞いておきたい3つのこと
申し込む前に、次の3点を確認しておけば困りません。どれも遠慮せずに聞いてよい内容です。答えをはぐらかされるようなら、その制度は見送ったほうが無難でしょう。
- 紹介された職場を断れるか
- 断った場合に費用が発生するか
- 就業後に辞めたらどうなるか
合わないと感じたら
紹介された職場が合わないと感じたなら、担当者に正直に伝えましょう。別の職場を紹介してもらえる制度もあります。条件を満たせない場合でも、受講料を支払えば済むという形が多いようです。
無理に合わない職場に入ると、後悔につながります。決める前に確かめたいことは転職して後悔する人の共通点7つにまとめました。
戻ってくるお金の制度

ここまでは無料になる制度でした。最後に、いったん支払ったあとに一部が戻ってくる仕組みに触れておきます。自分で払ってから申請する形なので、順番を間違えないよう気をつけてください。2つ紹介します。
教育訓練給付金
一定の条件を満たす方が、指定された講座を修了した場合に支給される制度です。ただし講座によって区分が分かれており、支給の割合も変わります。自分が対象かどうか、受けようとする講座が指定されているかは、申し込む前にハローワークで確認してください。
ひとり親向けの給付金
ひとり親の方を対象とした自立支援教育訓練給付金という制度もあります。自治体が窓口となるため、内容や手続きは地域によって異なります。お住まいの市区町村の担当窓口にお問い合わせください。
申請の前に相談を
どちらの制度も、受講前に手続きが必要な場合があります。修了してから申請しようとして、対象外になってしまう例があるためです。受講を決める前に、一度窓口で相談しておきましょう。
資格の費用でよくある質問

最後に、費用について迷いやすい点をまとめました。どれも申し込む前に知っておきたいことばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
本当に無料になる?
制度によります。受講料が無料でも、テキスト代は自己負担という形が多いものです。「無料」という言葉を見たら、何が無料で何が自己負担かを確認しましょう。総額でいくらかかるかを聞けば、はっきりします。
働きながらでも取れる?
十分に可能です。夜間や土日のコースを用意しているスクールもあります。自治体の事業には、勤務時間内に研修を受けられる形のものもあります。在職中の進め方は、無理のない範囲で組み立てましょう。
何歳までが対象?
年齢の上限が定められていない制度が多くあります。ただし個別の事業では条件が設けられている場合もあります。気になる制度を見つけたら、募集要項の対象者欄を確認してください。
途中でやめたらどうなる?
これは一概には言えません。職業訓練では、やむを得ない理由がある場合の取り扱いが定められています。スクールの無料制度では、受講料の支払いが生じる場合もあるでしょう。
複数の制度を使える?
組み合わせられない制度もあります。同じ費用に対して二重に支援を受けることは、通常認められていないためです。複数を検討している場合は、窓口でその旨を伝えて相談しましょう。
相談だけでもいい?
まったく問題ありません。ハローワークも福祉人材センターも、情報を得るために使える窓口です。申し込みを決めていない段階でも利用できます。
無料で使える相談先は転職の悩みを無料で話せる相談窓口7選にまとめました。
まとめ|払う前に確認を

介護の資格は、費用を理由に諦める必要がありません。使える制度は、思っているより多くあります。ただし無料の中身は制度ごとに違うため、条件の確認だけは省かないでください。
- 相場はおおむね4万円から10万円
- 職業訓練は受講料が原則無料
- 自治体には働きながら取れる事業も
- スクールの無料制度は条件を書面で
- 給付金は受講前に相談しておく

制度がこんなにあるとは思いませんでした。まず窓口で聞いてみます。

それが一番の近道だよ。自分がどれに当てはまるかは、聞かないとわからないからね。
今週は、ハローワークに電話を1本かけてみてください。介護の訓練について聞きたい、それだけで通じます。申し込む必要も、履歴書を用意する必要もありません。自分が使える制度がわかれば、次にやることは自然に決まります。
未経験から介護職を目指す手順は未経験から介護職に転職する手順に、転職活動全体の流れは転職活動の進め方と期間の目安にまとめました。そもそも介護に移るか迷っている段階なら、転職すべきか迷うときの判断基準7つから読むほうが順番として自然でしょう。


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