介護の仕事に関心はある。でも「介護 きつい」と検索すると、つらい話ばかりが出てくる。そこで気持ちが止まっていませんか。
- 腰を痛めるという話
- 夜勤で体をこわす心配
- 人間関係が大変という噂
- 続けられるかという不安

調べれば調べるほど、怖くなってしまって…。

大変な面はあるよ。でもね、きつさの中身は職場によってかなり違うの。
介護の仕事には、確かにきつい面があります。ただし、その多くは仕事そのものではなく、職場の環境から来ています。つまり選び方しだいで、負担はかなり変わるということです。この記事では、本当にきついことと、言われすぎていることを分けて整理しました。そのうえで、負担を減らす選び方までお伝えします。
介護の仕事をはじめから知りたい方は、介護の仕事と資格と職場選びの全体像をご覧ください。
きついと言われる背景

具体的な話に入る前に、なぜそう言われるのかを押さえましょう。ここがわかると、情報の受け取り方が変わります。きつい話ほど、人は書き残したくなるという事情もあります。3つに整理しました。
人手が足りない構造
必要な人数に対して働き手が足りていない事業所があります。一人あたりの負担が増えれば、当然きつくなるものです。これは仕事の中身というより、職場の体制の問題だといえます。
情報が偏って伝わる
つらかった経験は、書き込まれやすいという性質があります。「普通に働いています」という話は、わざわざ投稿されないからです。検索で目に入るのは、偏った一部だと知っておきましょう。
職場による差が大きい
同じ介護職でも、施設の種類や事業所によって働き方はかなり違います。誰かにとってきつかった職場が、自分にとってもそうとは限りません。だからこそ、人の話より自分の目で確かめることが大切になります。
本当にきついこと

ここは正直に書きます。楽な仕事だと言うつもりはありません。ただしどれも、備えがあれば軽くできるものです。5つ挙げます。
身体への負担
移乗や入浴の介助では、体に負担がかかります。腰を痛めたという話は、実際によく聞かれるものです。ただし、これは防げる前提で制度が作られています。
厚生労働省の腰痛予防対策指針では、介護の作業について原則として人力だけで人を抱え上げさせないことが示されています。リフトなどの福祉用具を活用するよう、事業主に求められている形です。
つまり「腰を壊すのは仕方ない」は、国の考え方とは違います。福祉用具があるかどうかは、職場を選ぶ基準になるでしょう。
夜勤と生活リズム
入所型の施設では夜勤があり、生活のリズムが不規則になります。少人数で担当する時間帯があるため、責任も重く感じられるでしょう。体への影響は人によって差が大きい部分です。
人間関係の難しさ
チームで動く仕事なので、合わない人がいると負担になります。申し送りや相談が欠かせないぶん、距離を置きにくい面もあるものです。これは介護にかぎらず、どの職場にも起こりうることではあります。
覚えることの多さ
介助の技術だけでなく、記録の書き方や制度の知識も求められます。利用者一人ひとりの状態や好みを覚える必要もあるでしょう。最初の数か月は、頭も体も使う時期になります。
給与への不満
責任の重さに対して見合わないと感じる人がいるのは事実です。ただし処遇の改善は国の施策としても進められています。金額は事業所によって差があるため、求人票の内訳を確認しましょう。
何で差がつくのかは介護職の給料が変わる理由と見方で解説しました。
言われすぎていること

一方で、実態より大きく伝わっている話もあります。怖がりすぎて動けなくなるのは、もったいないことです。やってみたら思っていたほどではなかったという声も少なくありません。ここでは3つ紹介します。
腰痛は技術で防げる
介護の研修では、ボディメカニクスという体の使い方を学びます。骨や関節、筋肉の動きを力学的に応用した介助の技術です。正しく使えば、腕の力に頼らずに介助できます。
体格差があっても介助が成り立つのは、この原理によるものです。腕だけで持ち上げようとするから、腰に負担が集まります。力の問題ではなく、技術の問題だということです。
たとえば最初に習うのが、支持基底面という考え方です。支持基底面積とも呼ばれ、床に接している両足と、その間に挟まれた面積を指します。足を開いて立つだけで、この面積が広がり、姿勢が安定します。立ち方を変えるだけなので、今日からでも試せる内容です。
排泄介助には慣れる
最初は戸惑う人がほとんどです。ただ、生活を支える業務として向き合ううちに慣れたという声が多くあります。ここだけを理由に諦めてしまうのは、少し早いかもしれません。
職場は変えられる
合わない職場に当たることはあります。けれども介護は事業所の数が多く、別の職場に移る道が開けています。一度の経験で「向いていない」と決めつける必要はありません。
合わなかったのは介護という仕事ではなく、その職場だったということもあります。介護の業界では、職場を変えた経験が不利になりにくいといわれています。さまざまな現場を知っていること自体が、経験の幅として受け取られる場合もあるようです。
負担を減らす選び方

ここからが実践の話です。きつさの多くは職場の環境から来るため、選び方で変えられます。入る前に確かめれば、避けられるものがほとんどです。4つの観点でご説明しましょう。
施設の種類で変わる
入所型か通い型かで、身体の負担も生活リズムも変わります。夜勤を避けたいなら、デイサービスや訪問という道もあるでしょう。まず種類から絞ると、候補がはっきりしてきます。
種類ごとの違いは介護施設の種類と選び方にまとめました。
福祉用具があるか
リフトやスライディングシートが導入されているかを確認しましょう。導入していても使われていない職場があるため、実際に使っているかまで聞くのがコツです。抱え上げない介護を方針に掲げる事業所も増えてきました。ここに投資している職場は、職員を大事にする姿勢があるといえます。
移乗の際に、リフトやスライディングシートは使っていらっしゃいますか。
腰痛予防の研修などはございますか。
人員の配置を聞く
一人で何人の利用者を担当するのかを確かめてください。同じ種類の施設でも、人数によって忙しさはまったく違います。休憩が取れているかを聞けば、現場の実態が見えてくるはずです。
教育と相談の体制
未経験で入るなら、ここが一番効きます。最初の数か月、同行してくれる人がいるか。困ったときに聞ける相手が決まっているかを確かめましょう。
面接で確かめることは介護職の面接で聞かれる質問と答え方に、決める前の確認事項は転職して後悔する人の共通点7つにまとめています。
入ってからできること

職場を選んだあとにも、できることがあります。きつさは我慢するものではなく、減らしていくものだからです。無理を続けた人が長く働けるわけではありません。3つお伝えします。
体の使い方を学ぶ
力任せの介助は、自分も相手も危険です。ボディメカニクスの考え方を身につければ、負担はかなり減らせます。最初に正しい形を覚えておくと、あとがずいぶん楽になります。
基本になるのは次のような点です。研修で習っても、現場では忘れがちな部分でもあります。
- 足を開いて支持基底面を広く取る
- 膝を曲げて腰を落とす
- 相手に身体を近づける
- 腕ではなく大きな筋肉を使う
- 持ち上げずに水平に移動させる
一人で抱えない
判断に迷う場面は必ず訪れるものです。そのときに相談できるかどうかが、長く続けられるかを分けます。聞くことは弱さではなく、安全のために必要なことです。
無理なら変えていい
合わないと感じたら、職場を変えるという選択があります。我慢して体や心を壊してしまっては、元も子もありません。介護の経験は、別の事業所でもそのまま活かせます。
一人で抱え込まずに済む窓口は転職の悩みを無料で話せる相談窓口7選で紹介しています。
介護の仕事でよくある質問

最後に、応募をためらう理由になりやすい疑問をまとめました。どれも先に知っておくと気が楽になることばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
体力に自信がなくても?
負担の程度は職場によってかなり違います。デイサービスなど、比較的お元気な方が多い現場もあるでしょう。面接で一日の業務の流れを聞くと、見当がつけやすくなります。
夜勤は必ずある?
ありません。デイサービスやデイケア、訪問介護には日中のみの働き方があります。夜勤なしの正職員の求人も出ています。求人票の勤務時間の欄を必ず確認しましょう。
人間関係が心配です
見学で雰囲気を確かめるのが、もっとも確実です。職員同士の話し方や、利用者への声のかけ方に表れます。短い時間でも、求人票からは読み取れない情報が得られます。
すぐ辞める人が多い?
離職の割合は調査によって数字に幅があるため、鵜呑みにしないほうがよいでしょう。事業所ごとの差が大きい分野でもあります。気になる職場があれば、職員の勤続年数を聞いてみてください。
未経験でも務まる?
務まります。未経験から始めて続けている人は大勢いるものです。ただし教育体制のある職場を選ぶことが条件になります。手順は未経験から介護職に転職する手順にまとめました。
介護以外の道もある?
あります。病院の看護助手という選択肢もあります。同じように人を支える仕事ですが、対象も目的も異なるものです。違いは病院の看護助手の仕事と選び方にまとめています。
まとめ|きつさは選べる

介護の仕事がきついかどうかは、職場によって変わります。仕事そのものより、環境のほうが大きいからです。怖い話を読んで止まるより、確かめる側に回りましょう。
- きつさの多くは職場の環境から
- 腰痛はボディメカニクスで防げる
- 福祉用具の有無は選ぶ基準
- 夜勤なしの働き方もある
- 合わなければ変えていい

確かめることがあるとわかって、少し前を向けました。

それでいいの。怖さは、情報が足りないだけのことが多いからね。
気になる求人が出てきたら、ひとつだけ聞いてみてください。「移乗のときに福祉用具は使っていますか」。この質問への答え方で、その職場の姿勢がかなり見えてきます。全部を見極める必要はなく、ひとつの手がかりで十分です。


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