介護の仕事に関心はあるけれど、給料が安いという話をよく聞く。求人を見ても、月給の数字が職場によってばらばらで比べられない。そこで止まっていませんか。
- 平均額を見てもピンとこない
- 求人ごとに金額が違う理由
- 手当の中身がわからない
- 生活していけるかの不安

同じ介護職なのに、求人によって給料が全然違うんです…。

理由があるの。何で差がつくかを知れば、求人票の見方が変わるよ。
介護職の給料は、職場によってかなり差があります。けれども、その差は何となくついているわけではありません。金額が変わる理由は、いくつかの決まった要素に分けられます。この記事では、その仕組みと求人票の見方を整理しました。読み終えるころには、2つの求人を比べられるようになっているはずです。
なお制度や金額は見直されることがあります。実際の条件は、必ず応募先の求人票と労働条件の書面でご確認ください。
介護の仕事をはじめから知りたい方は、介護の仕事と資格と職場選びの全体像をご覧ください。
給料は何でできているか

金額を比べる前に、給料の組み立てを知っておきましょう。ここがわかっていないと、数字だけを見て判断してしまいます。月給の総額が同じでも、中身は別物のことがあります。3つに整理しました。
基本給と手当に分かれる
給料は、基本給とさまざまな手当でできています。夜勤手当、資格手当、処遇改善の手当、通勤手当などが加わる形です。どこまでを月給として示すかは、事業所によって書き方が違います。
平均額は参考にとどめる
介護職の平均給与という数字は、調べればいくつも出てきます。ただし調査の対象や年度によって幅があるため、鵜呑みにしないほうがよいでしょう。自分が応募する施設の条件とは、別の話だと考えてください。
事業所による差が大きい
同じ地域の同じ種類の施設でも、金額は違います。運営する法人の規模や方針で変わるからです。だからこそ、平均ではなく目の前の求人票を読む力が要ります。
給料が変わる5つの要因

ここからが本題です。金額の差は、おおむね次の5つで説明がつきます。自分がどこを動かせるかを知ると、見通しが立ちます。順に見ていきましょう。
施設の種類
入所型か通い型かで、支給の形が変わります。夜勤のある施設では手当が加わるぶん、総額が上がりやすいものです。一方で日中のみの職場は、総額が下がる代わりに生活リズムを保てます。
施設ごとの違いは介護施設の種類と選び方にまとめました。
夜勤に入るかどうか
夜勤手当は、月の収入に大きく影響する要素です。回数によって数万円の差が出ることもあります。ただし体への負担と引き換えである点は、忘れないでください。
持っている資格
資格手当を設けている事業所が多くあります。初任者研修、実務者研修、介護福祉士と段階が上がるほど金額も変わる形です。資格は一度取れば長く効いてくるため、時間をかける価値があるといえます。
雇用形態の違い
正職員、パート、派遣で、同じ業務でも条件が変わります。正職員は賞与や昇給がある一方、シフトの自由度は下がるでしょう。どちらが得かではなく、生活に合うほうを選ぶ視点が要ります。
地域による差
都市部と地方では、支給額に差があります。物価や人材の需給が違うためです。ただし生活費も変わるので、金額だけで比べると判断を誤ります。
処遇改善加算のしくみ

ここは少し制度の話になりますが、知っておくと得をします。介護の給料には、国の加算という仕組みが関わっているためです。求人票の手当の正体が、これであることが多いのです。3つに分けて説明します。
国が出している加算
介護職員等処遇改善加算という制度があります。介護職員の待遇を良くするために、事業所へ支払われる加算です。2024年6月に、それまで3つに分かれていた加算が一本化されました。
区分によって額が変わる
この加算には区分が設けられており、段階によって率が変わります。職場環境の整備や研修の体制など、要件を満たすほど上の区分を取れる形です。加算率はサービスの種類によっても変わる仕組みです。
つまり上の区分を取っている事業所は、職員の待遇や研修に取り組んでいるとも読み取れます。金額だけでなく、職場の姿勢を測る手がかりにもなります。
渡され方は事業所しだい
ここが一番の注意点です。加算分をどう支給するかは、事業所の判断に任されているのです。毎月の手当、基本給に含める、賞与でまとめてという形があります。
同じ金額でも受け取り方が違えば、生活の計画も変わります。求人票を見るときは、この点まで確かめておきましょう。
求人票で見るところ

ここからは実践です。求人票は総額が目立つように書かれていることがあります。見るべきは総額ではなく、内訳です。4つの観点で確認しましょう。
基本給はいくらか
月給の総額が高くても、基本給が低い場合は注意が必要です。賞与は「基本給の何か月分」で計算されることが多いためです。基本給が低いと、年収で見たときに差が出てきます。
月給に何が含まれるか
示されている月給に、夜勤手当や処遇改善の手当が含まれていることがあります。夜勤を月に何回入った前提なのかで、実際の金額は変わるものです。「月給〇〇円以上」という書き方のときは、特に内訳を確かめましょう。
賞与と昇給の有無
賞与は「前年度実績」と書かれていることが多くあります。確約ではないため、実際に支給されたかを聞いてよい項目です。昇給の仕組みがあるかどうかも、長く働くうえでは重要になります。
聞いてよい質問
お金の話を聞くのは失礼ではありません。入ってから食い違うほうが、お互いにとって困ることだからです。内定の話が出た段階なら、遠慮なく確かめて差し支えありません。
示されている月給には、夜勤手当や処遇改善の手当は含まれていますでしょうか。
処遇改善の分は、毎月の手当と賞与のどちらで支給されるのでしょうか。
面接での聞き方は介護職の面接で聞かれる質問と答え方にまとめました。
収入を上げる道すじ

最後に、入ってからできることを整理します。介護の仕事は、積み上げが金額に反映されやすい分野です。道すじがはっきりしているのは、この仕事の良い点でしょう。3つ挙げます。
資格を段階的に取る
初任者研修から実務者研修、介護福祉士へと段階があります。資格手当が上がるだけでなく、任される仕事の幅も広がるものです。費用の支援制度もあるため、負担を抑えて進められます。
資格を取る方法は介護の資格を無料で取る方法5つに、介護福祉士までの道のりは介護福祉士になるには何が必要かにまとめました。
夜勤を選択肢に入れる
手当のぶん、収入を上げやすい働き方です。ただし未経験のうちから入るのは負担が大きくなります。日勤で慣れてから考えるという順番が現実的でしょう。
条件の良い職場へ移る
経験を積んでから移ると、条件が上がることがあります。介護は事業所の数が多く、職場を変えた経験も不利になりにくい分野です。今の場所で我慢し続けることだけが、選択肢ではありません。
介護の給料でよくある質問

最後に、お金について迷いやすい点をまとめました。どれも聞きにくいと思われがちなことばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
未経験だと低いですか?
資格や経験に応じた手当がつかないぶん、最初は低めになることが多いものです。ただし資格を取れば上がる仕組みがあります。入口の金額だけで判断しないほうがよいでしょう。
夜勤なしだと生活できる?
事業所や地域によって差があるため、一概には言えません。夜勤手当がないぶん総額は下がりますが、日勤のみの正職員の求人もあります。生活費と照らして、必要な金額から逆算して探しましょう。
処遇改善の手当は必ずある?
加算を取得していない事業所もあります。また取得していても、渡し方は事業所によって違うものです。求人票に記載がなければ、面接で確認して差し支えありません。
パートでも手当はつく?
つく場合があります。処遇改善の対象は正職員にかぎられるわけではありません。ただし配分の方法は事業所が決めるため、確認が必要です。
昇給はありますか?
事業所によります。資格の取得や勤続年数で上がる仕組みを設けているところもあります。長く働くつもりなら、入る前に確かめておきたい項目です。
給料で職場を選んでいい?
大切な条件なので、考慮して当然です。ただし金額だけで決めると、負担の重さを見落とすことがあります。選び方は転職して後悔する人の共通点7つもあわせてご覧ください。
まとめ|内訳を見れば迷わない

介護職の給料は、職場によって確かに差があります。けれどもその差には理由があり、内訳を見れば説明がつきます。平均額に一喜一憂するより、目の前の求人票を読めるようになりましょう。
- 給料は基本給と手当でできている
- 施設の種類と夜勤で差がつく
- 処遇改善の渡し方は事業所しだい
- 総額より基本給の額を見る
- 資格を取れば段階的に上がる

求人票の見方がわかったら、比べられそうです。

それでいいの。わからない項目は聞いていいんだよ。
気になる求人が出てきたら、基本給の額だけ見てみてください。総額が同じでも、基本給が違えば年収で差が出ます。全部を一度に理解する必要はありません。ひとつの項目を見るだけで、比べ方は変わります。
働き方の負担については介護の仕事がきつい理由と対策に、未経験からの始め方は未経験から介護職に転職する手順にまとめました。一人で迷ってしまうときは、転職の悩みを無料で話せる相談窓口7選で紹介した窓口を頼ってください。


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