履歴書の志望動機の欄で、手が止まっていませんか。介護の仕事をしたい気持ちはあるのに、言葉にすると薄く見えてしまう。そんな状態で何日も止まっている方は少なくありません。
- 「人の役に立ちたい」しか浮かばない
- 未経験で書けることがない
- 施設によって何を変えるのかわからない
- 前の職場のことをどう書くか迷う

正直に書くと、ありきたりな文章になってしまって…。

ありきたりでいいの。足りないのは熱意じゃなくて、理由のつなぎ方だよ。
志望動機は、才能で書くものではありません。「なぜ介護か」と「なぜこの事業所か」の2つに答えるだけの文章です。この記事では、その2つの決め方と基本の型、特養やデイサービスなど施設の種類ごとの例文、未経験やブランクなど状況別の例文までをまとめました。
例文はそのまま写すためのものではありません。自分の言葉に置き換えるための下敷きとして使ってください。立派な表現より、面接で自分の口から言える言葉のほうが強く届きます。
介護の仕事をはじめから知りたい方は、介護の仕事と資格と職場選びの全体像をご覧ください。
介護の志望動機で見られること

書き始める前に、相手が何を知りたいのかを押さえましょう。ここがずれていると、どれだけ丁寧に書いても届きません。事業所が見ているのは長く働いてくれそうかどうかです。3つに分けて見ていきましょう。
続けられそうか
介護の現場では、人が入れ替わると利用者様の生活に影響が出ます。採用する側は、長く働いてくれる人かどうかを一番に見ています。熱意の強さより、無理のない理由が書かれているほうが安心されるのです。
なぜ介護なのか
ほかの仕事ではなく介護を選んだ理由が要ります。ここが抜けていると、どこでもよかった人に見えてしまいます。壮大な理由でなくて構いません。自分の中で筋が通っていれば十分です。
なぜここなのか
介護の事業所は数多くあります。その中でなぜここを選んだのかが書かれていると、本気度が伝わるものです。逆にここが空白だと、使い回しの文章だと見抜かれます。
書く前に決める3つ

いきなり文章にしようとするから止まります。先に中身を決めてしまえば、あとは並べるだけです。3つの問いに、ひと言ずつ答えてみてください。メモ書きで構いません。
介護を選んだ理由
きっかけは何でも構いません。家族の介護、身近な人の仕事、求人を見て興味を持った。どれも立派な出発点です。大事なのはきっかけの大きさではなく、そこから今につながっているかどうかでしょう。
その事業所を選んだ理由
事業所のホームページやパンフレットを見てみてください。力を入れていること、利用者様への方針、研修の仕組みなどが書かれています。自分が共感したところを一つ拾えば、それがそのまま理由になります。
施設の種類ごとの違いは介護施設の種類と選び方にまとめました。
入ってからどう働きたいか
最後に、入職後の姿をひと言そえます。できることを大きく見せる必要はありません。基本から覚えたい、長く続けたい。その程度の素直な言葉で足ります。
基本の型と長さ

決めた3つを、順番に並べていくだけです。この順番で書けば、読む人の頭にすっと入る形になります。結論から書き出すのが鉄則です。3つの点を押さえましょう。
結論から書き出す
最初の一文で、何がしたいのかを言い切ってください。理由から書き始めると、最後まで読まないと結論がわからない文章になります。採用担当者は何通も読むため、最初の一文で伝わる形が親切です。
経験で理由を支える
理由のあとに、自分の経験をひとつ添えます。介護の経験でなくて構いません。接客、事務、子育て、どれも使えます。相手の様子を見ながら動く仕事は、思っているより身近にあるものです。
長さと言葉選び
履歴書の欄に収まる長さで足ります。欄が小さければ3文程度、大きければ4文から5文を目安にしてください。面接で自分が言える言葉だけを使うのが、後で自分を助けます。
書き方の基本は転職の志望動機の書き方と例文でも解説しました。
施設の種類別の例文

同じ介護職でも、働く場所によって求められるものが違います。ここを書き分けられると、調べてきた人だと伝わるものです。4つの職場に分けて例文を並べました。応募先に近いものを下敷きにしてください。
特別養護老人ホーム
生活の場であり、介護度の高い方が多い職場です。チームで交代しながら支える点にふれると、働き方を理解していると伝わります。
介護の仕事で、生活そのものを支える経験を積みたいと考え志望しました。前職では接客を担当し、相手の様子に合わせて対応することを続けてまいりました。貴施設は職員の方が交代しながら支える体制だと伺い、基本から教えていただきながら長く働きたいと考えております。
デイサービス
日中だけの通所型で、利用者様が自宅に帰る前提の職場です。送り出すまでを支える点や、会話や活動の時間が多い点にふれると自然になります。
利用者様が自宅での生活を続けられるよう支える仕事に関わりたいと考え志望しました。前職では事務を担当し、相手の話を聞いて整理することを大切にしてまいりました。日中の活動や会話を通して、利用者様が元気になっていく姿を間近で見たいと思っております。
訪問介護
利用者様のご自宅に伺い、基本はひとりで動く職場です。勝手に判断せず事業所に相談する姿勢を書けると、安心して読んでもらえます。
ご自宅での暮らしに合わせた支援ができる点に魅力を感じ志望しました。配達の仕事で長く運転しており、時間を守って回ることには慣れております。ひとりで伺う不安はございますが、判断に迷う場面では必ず事業所に確認し、一つずつ覚えてまいりたいと考えております。
訪問介護の働き方は訪問介護の仕事内容と備え方にまとめました。
グループホーム
少人数で暮らしを共にする、家庭に近い形の職場です。同じ顔ぶれの中で関係を作っていく点にふれると、理解が伝わります。
少人数の中で、お一人おひとりと向き合う介護がしたいと考え志望しました。前職では決まった方々と長く関わる仕事をしており、関係を積み重ねていくことにやりがいを感じてまいりました。認知症について学びながら、暮らしを支える力をつけていきたいと考えております。
状況別の例文

次に、書きにくい事情がある場合です。隠すほど不自然になり、かえって聞かれたときに答えづらくなります。事実は短く書いて、前を向いた一文で締めるのが基本です。5つの場合に分けました。
未経験で資格がない
無資格から始める方は多くいます。資格がないことを詫びるより、これから学ぶ姿勢を書くほうが前向きに読まれます。
介護の経験はございませんが、人の生活を支える仕事に長く携わりたいと考え志望しました。前職では接客を担当し、相手の様子に気を配ることを続けてまいりました。働きながら資格の取得を目指し、できることを増やしてまいります。
未経験からの進め方は未経験から介護職に転職する手順にまとめました。
異業種から移る
前の仕事と介護の共通点を一つ見つけてください。相手に合わせて動く、記録を残す、チームで動く。どの仕事にもあるものなので、必ず見つかります。
事務の仕事で記録や報告を正確に行うことを身につけてまいりました。介護の現場でも、気づいたことを共有することが大切だと伺い、これまでの経験を活かせると考え志望いたしました。
家族の介護がきっかけ
よくある動機ですが、それ自体は悪いことではありません。ただ、きっかけだけで終わらせず、仕事としてどうしたいかまで書いてください。
家族の介護に関わる中で、支える側の仕事に就きたいという思いが強くなりました。家庭での介護と仕事は違うと理解しており、基本から学び直したいと考えております。研修に力を入れておられる点に惹かれ、志望いたしました。
ブランクがある
空白の期間は、事実を短く書けば十分です。長々と説明するほど、触れてほしくないことのように見えてしまいます。
子育てのため仕事を離れておりましたが、生活が落ち着き、腰を据えて働きたいと考えるようになりました。体力には自信があり、長く続けられる仕事として介護を選びました。
短期間で辞めたあと
短期間の離職は、理由より次への姿勢を見られます。前の職場を悪く書かない。ここだけ守れば大丈夫です。
前職では短い期間での退職となりましたが、介護の仕事をしっかり学びたいという気持ちは変わっておりません。今度は腰を据えて、基本から身につけてまいりたいと考えております。
介護の志望動機でよくある質問

最後に、書くときに迷いやすい点をまとめました。どれも悩む必要のないことばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
例文を写してもいい?
そのまま写すのはおすすめしません。面接で「これはどういう意味ですか」と聞かれたときに答えられなくなるためです。下敷きにして、自分の経験に置き換えて使ってください。
待遇が理由でもいい?
通いやすさや勤務時間は、書いて構いません。とくに訪問介護では、近くに住んでいることは歓迎される条件です。ただしそれだけで終わらせず、介護を選んだ理由を添えましょう。
使い回してもいい?
介護を選んだ理由の部分は、使い回して問題ありません。変えるのは事業所を選んだ理由の部分だけです。ここを書き換えないまま出すと、すぐに気づかれます。
年齢が気になる
介護の現場では、幅広い年代の方が働いています。年齢にふれるより、続けられる体制があることを書くほうが前向きです。生活の経験が役に立つ場面も多い仕事です。
面接でも同じことを言う?
同じで構いません。むしろ違うことを言うと、ちぐはぐになります。書いたものを声に出して読んでみて、言いにくければ言葉を変えてください。
面接で聞かれることは介護職の面接で聞かれる質問と答え方にまとめました。
資格のことは書くべき?
持っていれば書きましょう。取得予定があるなら、それも前向きな材料になります。何も持っていない場合は、これから学ぶ意思を書けば十分です。
まとめ|等身大で書く

志望動機は、上手に書く必要がありません。なぜ介護か、なぜここか。この2つがつながっていれば通ります。立派な言葉を並べるほど、面接で苦しくなるだけです。
- 見られているのは続けられるかどうか
- なぜ介護かとなぜここかの2階建て
- 結論から書き出す
- 施設の種類で書き分ける
- 前の職場を悪く書かない

自分の言葉でいいと知って、気が楽になりました。

そう。面接で言えない言葉は、書かないほうがいいからね。
今日は、応募先のホームページを開いてみてください。力を入れていることが一つ見つかれば、それが志望動機の後半になります。文章を考えるのは、そのあとで間に合います。
採用が決まったあとの準備は介護の仕事を始める前の準備に、資格の次の段階は実務者研修の内容・期間・費用にまとめました。一人で抱えてしまうときは、転職の悩みを無料で話せる相談窓口7選で紹介した窓口を頼ってください。


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