履歴書の志望動機の欄だけが、白いまま残っている。本当の理由は「今の職場がつらいから」なのに、それは書けない。何度も書いては消して、時間だけが過ぎていませんか。
- 本当の理由が書けない事情
- どこでも通る内容になる悩み
- ブランクや年齢の説明
- 熱意という言葉の重さ

志望動機って、嘘を書くみたいで気が進まないんです。

嘘はいらないよ。本音を、相手に伝わる言い方に置き換えるだけなの。
志望動機は、熱意を競う欄ではありません。なぜこの会社なのかを、相手にわかる形で説明する欄です。この記事では基本の型を示したあと、職種別の例文を4つ挙げます。さらに、ブランクや年齢など説明しにくい状況の例文も4つ用意しました。読み終えるころには、白い欄の埋め方が見えているはずです。
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志望動機で見られていること

書き始める前に、相手が何を知りたいのかを押さえましょう。ここがわかると、書く材料が見つかりやすくなります。採用担当者が探しているのは、熱意の大きさではありません。入社後の姿が想像できるかどうかです。大きく3つに整理できます。
長く続けられそうか
まず見られるのは、すぐ辞めないかという点です。採用にも教育にも費用がかかるため、会社としては当然の関心事でしょう。長く働きたい理由が具体的であるほど、安心してもらえます。
なぜこの会社なのか
同じ業界に何社もある中で、なぜここを選んだのか。ここが書けていないと、どこにでも出している書類に見えてしまいます。求人票や公式サイトの言葉をひとつ引用するだけでも、印象は変わるでしょう。
転職理由とのつながり
志望動機は、転職理由と地続きになっている必要があります。「今の職場で満たされないもの」が「この会社にある」という形だからです。2つがずれていると、本音が別にあると受け取られかねません。
志望動機の基本の型

見られている点がわかったら、次は組み立て方です。志望動機には決まった型があり、その順番どおりに並べるだけで形になります。うまい表現を探すより、順番を守るほうが効きます。ここでは4つに分けました。
結論から書き出す
最初の一文で、志望した理由を言い切ります。採用担当者は多くの書類に目を通すため、結論が後ろにあると伝わらないからです。「〇〇に携わりたいと考え、志望いたしました」という形で構いません。
理由を経験で支える
次に、そう考えるようになったきっかけを自分の経験から書きます。経験に裏づけられていない理由は、誰にでも書けてしまうためです。大きな出来事である必要はなく、日々の仕事の中の気づきで十分でしょう。
入社後の姿で締める
最後に、その会社で何をしたいかを一文添えます。ここがあると、働いている姿が相手の頭に浮かびます。「貢献したい」だけでは弱いため、何をするのかまで書いてください。
文字数と体裁の目安
履歴書の欄なら200字前後、職務経歴書に添えるなら300字ほどが目安です。欄の大きさに対して少なすぎると、意欲が低いと見られることがあります。逆に詰め込みすぎても読まれにくくなるため、8割ほど埋まる分量を狙いましょう。
書類全体の書き方は職務経歴書の書き方と例文10選にまとめました。
職種別の志望動機の例文

ここから例文に入ります。まずは職種の変化のしかた別に4つ挙げました。そのまま写さず、自分の経験に置き換えてお使いください。言葉づかいが自分のものでないと、面接で聞かれたときに答えられなくなります。
介護職への応募をお考えの方は、介護職の志望動機の書き方に施設別の例文をまとめました。
同じ職種に移る場合
経験があるぶん、何を求めて移るのかが問われます。前職でできなかったことを軸にすると、自然につながるでしょう。
これまで介護施設で3年間、生活支援に携わってまいりました。人員の都合から決められた業務をこなすことが中心で、一人ひとりに合わせた関わり方を学ぶ機会が限られていたことが、転職を考えたきっかけです。御社は少人数制のケアを掲げておられ、私が身につけたいと考えている関わり方が実践できると感じ、志望いたしました。
未経験の職種へ移る場合
経験がないことを謝る必要はありません。これまでの仕事のどこが共通するかを示すのが基本です。
販売職として7年間、お客様の要望を引き出す対話を重ねてまいりました。ご高齢のお客様と接する機会が多く、生活を支える仕事に関心を持つようになったことが転職のきっかけです。実務は未経験ですが初任者研修を修了しており、接客で培った対話の姿勢を現場で活かしたいと考えております。
事務職に応募する場合
事務は応募が集まりやすいため、選んだ理由がとくに問われます。正確さや段取りといった、目立たない強みを言葉にしましょう。
前職では受発注の管理を担当し、確認の手順を決めて記録に残す習慣を身につけました。御社の求人にある「複数部署との調整業務」は、これまで最も力を入れてきた部分と重なります。正確さが求められる場面で力を発揮したいと考え、志望いたしました。
資格を活かして移る場合
資格そのものではなく、なぜ取ったかを語ると深みが出ます。取得の動機と志望理由がつながっていると説得力が増すためです。
現場で働くうちに、根拠を持って判断できるようになりたいと考え、働きながら初任者研修を修了いたしました。御社では資格取得の支援制度があると伺っております。学びながら長く働ける環境で、専門性を高めていきたいと考えております。
状況別の志望動機の例文

ここからが本題かもしれません。多くの記事は、説明しやすい人を前提に書かれています。けれども実際に手が止まるのは、事情がある人のほうでしょう。結論から言えば、事情は隠さず、一行添えて先へ進むのが正解です。伏せた空白のほうが、かえって目を引いてしまいます。
ブランクがある場合
空白期間は、理由と現在の状況を短く添えるだけで十分です。長く説明するほど、かえって気にしているように見えてしまいます。
家族の介護のため半年ほど仕事を離れておりましたが、現在は体制が整い、フルタイムで勤務できる状況です。介護に関わる中で、支える側の仕事に就きたいという気持ちが強くなりました。御社の在宅支援の取り組みに携わりたいと考え、志望いたしました。
短期間で辞めたあと
前の職場を責める書き方は避けましょう。事実を述べたうえで、そこから得た基準に話を移すのが安全です。
前職は入職前に伺っていた業務内容と実際に開きがあり、短期間で退職いたしました。この経験から、業務内容と教育体制を重視して応募先を選んでおります。御社は入職後の研修の流れを具体的に示しておられ、腰を据えて働ける環境だと感じ、志望いたしました。
年齢が気になる場合
若さでは勝負しないと決めてしまうほうが、落ち着いて書けます。年齢を重ねたからこそ身についたものを、具体的に挙げてください。
これまでさまざまな立場の方と仕事をしてまいりました。急な変更があっても落ち着いて対応し、周囲と調整しながら進めることが自分の役割だと考えております。御社のように多職種が関わる現場で、この経験を活かしたいと考えております。
家庭と両立したい場合
両立したい事情は、隠さず書いて差し支えありません。ただし条件の話だけで終えず、働く意欲とセットにするのがコツです。
子どもの生活時間に合わせて働ける職場を探しており、御社の時短勤務の制度に魅力を感じております。前職では限られた時間で成果を出す工夫を重ねてまいりました。時間に制約があるからこそ、段取りを整えて確実に進めることを大切にしております。
落ちやすい志望動機

書き上げたあとの見直しどころです。どれも悪気なく書いてしまうものばかりで、珍しいことではありません。3つ確認するだけで、通りやすさが変わります。提出前に一度、時間を空けてから読み返してみてください。
待遇だけを理由にする
給与や休日は大切ですが、それだけを挙げると条件が目的だと受け取られます。より良い条件の会社が現れたら辞めると見えてしまうためです。待遇に触れるなら、仕事の内容とあわせて書きましょう。
どこにでも通る内容
「成長できる環境に魅力を感じました」だけでは、会社名を入れ替えても成立します。社名を別の会社に変えて読み返してみてください。それでも成立するなら、応募先ならではの一文を足す必要があります。
前職の不満で埋める
不満が転職の出発点であること自体は、まったく問題ありません。ただし書類の中では、不満のままではなく希望の形に言い換えましょう。「残業が多かった」は「長く続けられる働き方を求めている」と書けます。
面接でも同じ内容を聞かれます。想定される質問と答え方は転職面接でよく聞かれる質問10選と答え方にまとめました。
志望動機でよくある質問

最後に、書くときに迷いやすい点をまとめました。どれも手が止まりやすいところです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
使い回してもいい?
土台は使い回して構いませんが、応募先ならではの一文は必ず入れ替えましょう。そこだけ直せば十分で、全部を書き直す必要はありません。社名の入れ替え忘れだけは、念入りに確認してください。
本当の理由は書くべき?
そのまま書く必要はありません。嘘をつくわけでもありません。同じ事実でも、不満の形から希望の形へ言い換えれば十分です。面接で深く聞かれても答えられる範囲にとどめておきましょう。
志望動機が思いつかない
会社選びの段階に戻ってみてください。本当に応募したい会社なら、理由は必ずどこかにあります。何も出てこないなら、その求人は自分に合っていないのかもしれません。
合わない求人に無理に応募すると、後悔につながります。転職して後悔する人の共通点7つもあわせてご覧ください。
待遇に触れてもいい?
触れて構いません。生活に直結する大切な条件だからです。ただし理由の中心には置かず、仕事の内容を先に書きましょう。順番を変えるだけで、受け取られ方は大きく変わります。
履歴書と面接で変えていい?
内容は同じにしておくのが安全です。書類と口頭で食い違うと、どちらが本当かと思われてしまいます。面接では、書いた内容にエピソードを足して話すとよいでしょう。
添削してもらえる?
エージェントを使うと、応募先に合わせた形で見てもらえます。公的な窓口でも書類の相談に対応しているところがあります。使い方や断り方は転職エージェントの使い方と選び方をご覧ください。
まとめ|正直に書いていい

志望動機が書けないのは、嘘がつけないからです。それはむしろ誠実さの表れだと思ってください。嘘を作る必要はなく、本音を伝わる形に置き換えるだけで足ります。
- 見られるのは続けられるか
- 結論から書いて経験で支える
- 文字数は200字から300字
- 事情は隠さず一行添える
- 不満は希望の形に言い換える

嘘を書かなくていいとわかって、ようやく手が動きそうです。

それでいいの。まずは結論の一文だけ書いてみて。あとは理由を足していくだけだから。
今日は最初の一文だけ書いてみてください。「〇〇に携わりたいと考え、志望いたしました」で構いません。そこが決まれば、理由も入社後の姿もあとからついてきます。完璧な文章を目指すより、まず出せる状態にするほうが先です。
進め方の全体像は転職活動の進め方と期間の目安で確認できます。そもそも転職するか迷っている段階なら、転職すべきか迷うときの判断基準7つから読むほうが順番として自然でしょう。
一人で書き進めるのが不安なときは、転職の悩みを無料で話せる相談窓口7選で紹介した窓口を頼ってください。


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