就職が決まったのに、手続きのことまで気が回らない。そんなときに期限が過ぎてしまうのが、再就職手当です。働き始めたばかりの忙しい時期に、申請の期限がやってきます。
- 自分が条件に当てはまるのか分からない
- いくらになるのか見当がつかない
- 自分で見つけた会社でも対象になるのか
- いつまでに何を出せばいいのか

決まったばかりで、手続きのことまで考えていませんでした。

そこが落とし穴なの。期限は働き始めてすぐに来るからね。
再就職手当は、早く次の仕事に就いた人を後押しするための制度です。残っている日数に応じて、まとまった額が一度に支給されます。この記事では、受け取れる人の条件、金額の決まり方、申請の流れと期限、そして受け取ったあとのことまでをまとめました。
条件は細かく、年によって変わる部分もあります。ここに書いたことは出発点として読み、自分が当てはまるかどうかは必ずハローワークで確認してください。
失業保険そのものの手続きは失業保険の手続きと再就職手当にまとめました。また転職をはじめから知りたい方は、転職の流れとお金と手続きの全体像をご覧ください。
再就職手当とは

まず、この手当がどういうものかを押さえましょう。仕組みが分かると、急いで申請する理由も見えてきます。早く働き始めた人が不利にならないための制度です。3つに分けて見ていきましょう。
早く決めた人への後押し
失業保険は、仕事が決まると支給が止まります。それだけだと、早く決めた人ほど受け取る総額が少なくなってしまいます。その差を埋めて、早く働き始める人を後押しするのがこの手当です。
一度にまとめて支給される
毎月ではなく、一度にまとまった額が振り込まれる形です。認定日に通う必要もありません。働き始めてからの生活費の足しにできる、使い勝手のよいお金といえます。
申請しないと出ない
条件を満たしていても、自動では支給されません。自分で書類を出して、はじめて審査が始まる仕組みになっています。しかも期限は就職日の翌日から1か月以内と短めです。
受け取れる人の条件

ここが一番込み入っている部分です。条件は8つほどあり、ひとつでも欠けると対象になりません。ただしほとんどの人は自然に満たしています。性質ごとに3つに分けて整理しました。
日数と働き方の条件
まず、残っている日数と新しい仕事の見込みについての条件です。
- 残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 1年を超えて働くことが確実と認められること
- 就職先で雇用保険の被保険者になること
短期の契約や、雇用保険に入らない短時間の勤務は対象外になります。1年を超えるかどうかは、契約の内容で判断される部分です。
就職先についての条件
次に、どこに就職したかについての条件です。
- 辞めた会社や、その関連会社への再就職ではないこと
- 受給資格が決まる前から採用が内定していた会社ではないこと
前の職場に戻る形だと対象になりません。辞める前にすでに次が決まっていた場合も同じ扱いです。
手続きと過去についての条件
最後に、手続きの順番と過去の受給についての条件になります。
- 待期の7日が終わったあとの就職であること
- 過去3年以内に再就職手当などを受けていないこと
- 給付制限がある人は、最初の1か月はハローワークか職業紹介事業者の紹介であること
最後の条件は給付制限がある人だけに関わるものです。会社都合で辞めた人には給付制限がないため、関係ありません。
いくらになるか

次に、金額の決まり方です。計算そのものは単純で、3つの数を掛けるだけになります。早く決まるほど受け取る割合が上がる仕組みです。順に見ていきましょう。
計算のしかた
基本手当日額に、残っている日数を掛け、そこに割合を掛けます。
- 基本手当日額 × 支給残日数 × 支給率
基本手当日額は、受給資格者証に書かれている1日あたりの額のことです。自分の数字は窓口で確認できます。
割合は2段階
支給率は残っている日数の割合で決まり、2段階です。
- 残日数が所定給付日数の3分の2以上 → 70%
- 残日数が3分の1以上3分の2未満 → 60%
3分の1を下回ると対象外になるため、ここが分かれ目になります。早く決まった人ほど高い割合が適用される設計です。
上限がある
計算に使う基本手当日額には、上限が定められています。年齢の区分によって違い、しかも年度ごとに見直される数字です。そのため自分の額は窓口で確認するのが確実でしょう。
申請の流れと期限

ここが一番つまずきやすいところです。働き始めた直後の、いちばん落ち着かない時期に手続きが来ます。就職日の翌日から1か月以内という期限を覚えておいてください。3つの段階に分けました。
決まったらハローワークへ
就職が決まったら、働き始める前にハローワークへ行きます。採用証明書を出し、失業の認定を受ける流れです。このときに再就職手当の申請書も受け取ります。
勤務先に書いてもらう欄がある
申請書には、新しい勤務先に記入してもらう欄があります。入社したばかりで頼みにくいと感じるかもしれませんが、よくあることです。期限があるので、早めに総務や担当の方へ渡しておきましょう。
出してから振り込みまで
書類を出すとハローワークの審査が始まります。出してすぐ振り込まれるわけではなく、しばらく待つことになります。時期の目安は窓口で聞いておくと、見通しが立つはずです。
受け取ったあとのこと

再就職手当は、受け取って終わりとは限りません。条件によっては、さらに受けられるものがあります。ただし2025年4月に内容が変わった部分があるので注意が必要です。3つ挙げます。
賃金が下がったときの手当
再就職後の賃金が前の職場より低い場合、差額を補う手当があります。就業促進定着手当といい、6か月以上働き続けたあとに申請するものです。2025年4月から上限が支給残日数の40%相当から20%に引き下げられました。
就業手当は廃止された
以前は、安定した職業以外に就いた場合に出る就業手当がありました。こちらは2025年4月に廃止されています。古い記事にはまだ残っていることがあるため、気をつけてください。
途中で辞めた場合
再就職手当を受け取ったあとに辞めても、権利がすべて消えるわけではありません。受給期間内で日数が残っていれば、再就職手当の分を除いた基本手当を受けられる可能性があります。再び失業したら、早めにハローワークへ行って再開の手続きをしてください。
再就職手当でよくある質問

最後に、申請の前に迷いやすい点をまとめました。どれも先に知っておくと動きやすいものばかりです。気になる項目だけ読んでいただいて構いません。
自分で見つけた会社でもいい?
ほとんどの場合は対象になります。例外は給付制限がある人の、待期が終わってからの最初の1か月だけです。その期間に決まった場合は、窓口か職業紹介事業者を通している必要があります。
エージェントの使い方は転職エージェントの使い方と選び方にまとめました。
パートや派遣でもいい?
雇用保険の被保険者になり、1年を超えて働く見込みがあれば対象です。正社員でなければ駄目ということはありません。短時間すぎて雇用保険に入らない働き方だと、対象から外れます。
自分で開業した場合は?
事業を始めた場合も、条件を満たせば対象になることがあります。継続して事業を行うと認められるかどうかが判断の分かれ目です。必要な書類も雇われる場合と違うため、早めに相談しておきましょう。
期限を過ぎてしまったら?
まずは正直にハローワークへ相談してください。やむを得ない事情があった場合の扱いは、窓口で判断されます。諦めて黙っているより、事情を伝えたほうがいいでしょう。
会社に知られてしまう?
申請書に勤務先の記入欄があるため、就職したことは伝わります。ただしこれは失業保険を受けていたという事実が分かるだけです。前の職場の辞め方や、受け取った金額まで伝わるものではありません。
確定申告は必要?
失業保険も再就職手当も、所得税はかからない扱いです。非課税なので、確定申告で収入として申告する必要もありません。住民税や扶養の判定でどう扱われるかは、市区町村の窓口で確認してください。
まとめ|決まったらすぐ動く

再就職手当でいちばん多いつまずきは、条件ではなく期限です。就職日の翌日から1か月以内という短さに、働き始めてから気づきます。決まった時点で、申請があることだけ頭に入れておいてください。
- 残日数が3分の1以上あれば対象
- 割合は3分の2以上で70%、3分の1以上で60%
- 申請は就職日の翌日から1か月以内
- 申請書には勤務先の記入欄がある
- 就業手当は2025年4月に廃止
- 辞めても権利がすべて消えるわけではない

決まってからでは遅いんですね。先に知っておいてよかったです。

そう。決まった日にハローワークへ行く、それだけ覚えておけば大丈夫。
就職が決まったら、働き始める前にハローワークへ行ってください。そこで採用証明書を出せば、必要な書類はすべて渡されます。あとは勤務先に1枚書いてもらうだけです。最初の一歩さえ踏めば、残りは流れで終わります。
退職後の手続き全体は失業保険の手続きと再就職手当に、健康保険と年金は退職後の健康保険と年金の手続きに、転職活動の進め方は転職活動の進め方と期間の目安にまとめました。一人で抱えてしまうときは、転職の悩みを無料で話せる相談窓口7選で紹介した窓口を頼ってください。


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